2012年9月9日日曜日

人間にとって最大の喜びとは…

昨日は義母の七回忌でした。
6年前、胆管がんで亡くなったのですが、死が迫っていたある時、病床で聞いたことがあります。
「今、一番何をしたい?」

すると、義母はこう答えました。
「パパ(義父)にご飯を作ってあげたい」 

人はたとえ死の間際でも、誰かに何かをしてあげたいと思うんだ…と驚きました。
同時に、それまで家事を面倒に思っていた私に喝を入れてくれた言葉でもありました。

生命科学者の柳澤桂子さんも15年におよぶ闘病体験をふり返り、『認められぬ病』(1998, 中公文庫)という本にこう綴っています。
私は自分が動けなくなって、病むことの最大の苦しみは、人のために何かをしてあげることができなくなることであると気づいた。
いいかえれば、人間の最大の喜びは人のために何かをすることである。
自分自身のために何かを求めても、その欲求は際限なく増大するばかりで、けっして満足は得られない。
人のために何かをすることによってはじめて、こころを満たすことができる。…
弱者は人間にとって何が一番大切かということを、教えてくれる存在ではなかろうか。
これらのメッセージは私の心の深い部分にまで届き、今につながっているような気がします。

6年前の母の日、義母に送ったクレマチスは枯れてしまいましたが、私の実家に送った同じクレマチスは庭で成長し、毎年咲いているそうです。 

1 件のコメント:

  1. なんさん
    ほんとうに、人のために何ができるかって、(生物・動物としての「ヒト」ではなく社会的存在としての)「人間」の価値の根本的な部分を形作っている事柄ですよね。。。
    クレマチス、たくさん咲いていて素敵ですね!!! 癒されます~~ 
    ふかより。

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