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自分の心が、ほどほどを決める
…私も長く生きてきて、いろんな人に出会い、いろんな人の人生を見たり聞いたりしてきましたが、どういう人の人生がいちばん幸福だったのか、いくら考えてもわかりません。
たとえば、あの人は素敵な人だったと思うけれども、その人の妻はどうだったかというと、苦労させられたのかもしれないと思いますし、この人は立派で尊敬できる人だったけれど、その人の子どもはどうだったかというと、親と比較されて悩んだ様子でしたし、いいことずくめの人は見つかりません。
一つ得れば、一つ失うことは覚悟しなさい、ということなのでしょうか。
なにもかもが満足な人生はありえないようです。
一方で、豊かになれば人は幸せになれると、人類共通して思ってきましたが、それもまた違ったようです。
私もずいぶん裕福な人を見てきましたが、裕福だから幸福だとは思えませんでした。
かといって、極度な貧乏もまた不幸です。
それなら、一体どうしたら、人にとって一番幸福なのかと考えると、わけがわからなくなります。
どのように生きたら幸福なのか、「黄金の法則」はないのでしょうか。
自分の心が決める以外に、方法はないと思います。
この程度で私はちょうどいい、と自分の心が思えることが一番いいと思います。
ちょうどいいと思える程度は、百人いたら百人違います。
私はまだ足りないと思う人は、いくらあっても足りません。
そういう人はいくら富を手にしても、お金持ちになった甲斐はありません。
愛情を充分に与えられても、愛されていると自覚しません。
まだまだ足りないと思っているのですから。
これくらいが自分の人生にちょうどよかったかもしれないと、満足することのできる人が、幸せになれるのだろうと思います。
~篠田桃紅『103歳になってわかったこと』 ~
写真:篠田さんのアトリエ 2016.1.9「SWITCHインタビュー達人達 日野原重明×篠田桃紅」より |
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すると、なんだか心も体も疲れてしまう。
きっと、それは自分が本当に欲しているというより、「周りからこう見られたい…という他者目線」や「いつか何かの役に立つのでは…という未来目線」で物事を選んでいるのかもしれません。
もちろん、夢を描いたり、ワクワクすることは大事。
でも同時に、足るを知り、今、自分が心から本当にやりたいこと・欲しいものだけを選ぶようにすれば、人生はもっとシンプルで幸福感溢れるものになるのかもしれない…と感じました(^o^)
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