2012年10月10日水曜日

美輪さんの言葉 ♡

先日読んだ新聞の人生相談コーナーより…
20代後半の女性から「ある皮膚の病気で死を考えます。…どうしたらよいですか?」との質問でした。
それに対する美輪明宏さんの回答がとても良かったので、ご紹介したいと思います。


~ 回答者 美輪明宏さん(歌手・俳優)

病気のことは私は医師ではありませんし、知識もありませんので相談には応じかねますが、精神的に発想の転換を図りたいとのことであれば、微力ながらお手伝いさせて頂きたいと思います。

街中を行き交う群衆、普通にさりげなく見える人々が実は悩んでいて、苦しみ痛みを大なり小なり持っていない人は誰一人としていないのです。その差は表からは見えません。

私も77年間のこれまでの人生で、長崎での被曝体験をはじめ、さまざまな怪我、大病を患い、耐え、克服してきました。1950年代に芸能人としてデビューした当時は、日本中から、化け物、変態、国賊と罵詈荘厳(ばりぞうごん)浴びせられました。

そのころ、ボランティアで重度身体障害者の施設に行ったのです。
目も耳も口も手足も不自由な子どもたち、その子たちが一斉に心の声で私を叱りました。

「あなたの悩み? そんなものは悩みのうちには入らない。私たちは自力でトイレにさえ行けない。家族をはじめ、愛する人たちに自分の声で愛を伝えることさえ一生できない。その顔を見ることも、その声を聞くこともできない。このつらさがわかりますか? それに比べ、それらが全部できる貴方たちはなんて幸せなの!!」

私は背筋が伸びました。
「世間の人々は皆幸せそうに見え、何故自分だけがこんな不幸なつらい目にばかり遭うのか…」と錯覚していたのです。

彼らこそ、どん底に耐え、なお立派な精神を保つための修行をするために、また私たちを戒めるために送られた菩薩(ぼさつ)たちだったのです。

世や人を恨み、嘆き、悲しみばかりのマイナスの波動を出し続けている人はマイナスの事物事象を呼び込むのです。逆に無理をしてでもプラスの想念を保ち、発し続けるとプラスの現象が集まってくるのです。これが「天は自ら助くる者を助く」という意味です。

決して諦めなければ、必ずいつか朗報がもたらされるものなのです。

心が好転しにくい場合には、例えば聖歌を唱(うた)ったり、お経などを唱えたり、優しく美しい昔の抒情歌や唱歌を唱ったり聴いたりすると安らかになることがよくあります。
救いはあなたの考える文化の力にこそあると思います。

ただし、占いや霊能者、宗教に振り回されてはいけません。用心しましょう。

~2012.9.1(土)朝日新聞朝刊 be「悩みのるつぼ」~

   
   ☆おまけ
 
蓮の花の値打ちは、泥の中で育っても、汚れず染まらず、美しい花を咲かせ、保ち続けること。悩みや苦しみは、自分を鍛えるチャンスです。
~美輪明宏 『花言葉』 (2010, PARCO出版)~

美輪さんの言葉はどんな宝石よりもキラキラと輝いているように思います✧
あたたかな愛を感じますよね。
私“なん”の、そして「the giving tree」のお師匠さんです(*^_^*)

7 件のコメント:

  1. お久ぶりです。

    このところ立て続けに離婚や人間関係で悩む人から相談を受けました。励ましても励ましても、その時は持ち直しすのですが、すぐまたへこんでいる様子… このページを紹介しようかな(^^)V

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  2. 精神障害者両様センター隣の公共図書館のチャプター『今日、牧師さんいる?』の話と何かリンクさせてしまいました。同じ人間であることはもちろん、いつ何どき自分自身がそちらの立場になるかわからないことを考えてしまいました。本当に紙一重です。(椿)

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  3. なんさん、いつもいつもありがとう!
    椿様、はじめまして。お心に留まったようで光栄です。

    何かのサインでしょうか? 先日アップした私のブログのテーマは、椿さんのおっしゃることとまさにリンクしていたかのようです…(驚!!)
    お時間ありましたら、ちょっとお立ち寄りいただければ嬉しいです。

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  4. みなさま、いつも"the giving tree"のブログにお越し頂き、ありがとうございます。
    詳細はまたブログで取り上げる予定ですが、vinrougeさんが翻訳した本が最近、初出版されました。
      『どうか、お静かに―公共図書館裏話』(スコット・ダグラス著)
    (今、まさに椿さんが読まれている本!)

    また、vinrougeさんは最新の洋楽を翻訳するブログでもご活躍中です。
    10月18日掲載の"Anything Could Happen"(何が起こるかなんて分からない)という歌。
    これが椿さんのコメントと偶然シンクロしたようです(^^♪
    http://lyricandrhyme.blogspot.jp/2012/10/ellie-goulding-anything-could-happen.html

    この場をお借りして、ふかさんもいつもコメントありがとうございます。
    人との繋がりって本当に面白いですね(^_^)/

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  5. vinrougeさんは、ひょっとしてクリスチャンでいらっしゃるのでしょうか?初めまして。そして、なんさん解説をありがとうございました。本当に、びっくりしました。

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  6. なんさん
    こんにちは。
    そうですね、人はそれぞれ苦しみを抱えて生きているわけですが、それは外からはなかなか見えない、わからないものですよね。
    無理に前向きになるのが苦しいときもありますので、私はそういうときは、「まあ生きてさえいればなにかいいこともあるさ」と、ある意味"流して"、またある意味で"自分を騙し騙し"、やっていくようにしています。あと、星空を見上げるのも、自分の苦しみがいかに規模の小さいものだったかということがわかって、いいですよね。
    生きていれば、いろいろな皆さんとの出会い、「縁」もありますよね。そういう「縁」、大事にしていきたいと思います。ふかより。

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  7.  偶然、毎週水曜日のランチタイムに行われる学生とのチャペルアワーで読まれた聖書の箇所が、ヨハネによる福音書15章1節より17節でした。ぶどうの話で、ぶどうの枝や蔓のようにみんなつながっているという箇所です。
     看護師は一生懸命になるあまりBurn outしそうになることもあるのでは?というチャプレンの質問に対し、ある教員は、そのような時、少し距離を置いて、客観的に自分を観るようにしているが、それでも人とのつながりは感じると言っていましたね。

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